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ホンマタカシ展

0224honmatakasi 表参道の小さなギャラリーで写真家のホンマタカシの展覧会をやっていたので寄って来た。
映像と写真の展覧会だった。
モチーフはコルビジェ設計のインドのチャンディガール。赤、青、緑と色鮮やかに塗り分けられたな建築を写真家の視点で美しく切り取った固定フレームのまま、黒い法曹の人々が集う様子が定点で撮影される。どの瞬間をきりとってもそのまま写真になりそうに美しい上、建築と人が共存する雰囲気が生き生きと伝わってきてとても面白かった。

「丹下健三が見た丹下健三」展

0123tange2乃木坂のギャラリー間で開催されている「丹下健三が見た丹下健三」展に行ってきた。丹下健三自身が自ら設計した建物を撮影したネガをそのまま印画紙に焼き付けたコンタクトの展覧会。
自身の手による書き込まれたトリミングの線などは自信に満ちているのもあれば、悩ましく書き直しを繰り返したものもあって人間丹下が伝わってくる。
とはいうものの、、、

0123tange1正直、展覧会、ギャラ間にはめずらしく展示構成が悪く、とても見にくい!コンタクトの展示なので画像が小さいのはよいとして、ルーペがあっても照明がピンスポットのため、ルーペの中が暗くて肝心の画像が見えない。なんのためのルーペなんだろう。
展示台の高さも妙に低く、ずっと腰を屈めて小さいコンタクトシートを
覗き込むのでとても疲れた。

写真としての美しさや被写体となった建築物の魅力を感じるというよりも、建築家自信が何を気にして撮影しているかということに展示の重点がおかれているので、そもそも、写されている建物や被写体のさまざな背景を知らないときっと楽しめない。建築家相手に特化した展覧会だからよいのだろうが、一般の方にはおすすめできない。
ただ、中庭から見た写真パネルと月の出た夕景は美しかった。

nibroll「リアルリアリティ」

0123nibrollnibroll新作公演「リアルリアリティ」を初日に世田谷のシアタートラム観に行った。東京でのニブロール公演は2年半ぶりだそうだ。まだまだ構成など荒削りな部分はあるがとても見応えのある面白い作品だった。これから回を重ねるごとに練り続けられさらに完成度が上がっていくのが楽しみな作品だ。初演を見れてよかった。
今回の新作は、とにかく矢内原美邦によるコンセプトが秀逸だ。
現代社会の漠然とした不安を鋭く指摘したコンセプトとその不安を嗅ぎ付ける彼女の嗅覚に脱帽する。

以下にコンセプトを書き記す

「リアルリアリティ」
身体を省略し拡張する

人はできるだけ動かなくてすむようにテクノロジーを駆使する
それに抗うつもりはない 楽がいい

それでもどこまで省略しようとするのか ふと不安になる

人々の想像は 遥か彼方にある場所や 過去や未来にある時間を
あたかも今ここにあるかのように具現化しようとする

それでも人は遠くでおこっている悲劇を想像することすらできない
そこにある身体を共有することができない

なにもない場所に立ち リアルのない時間を過ごし 言葉のない声を聞き カラダのない人に出会う
死はすぐそこにあり 無限で 確定的で
生きることはいまここにあり 限りがあり 不確定な未来にある

身体がなくてもいい時代を生きる私たちが実感できる身体をさがす

私たちは生きています

オープニングが圧巻だった。暗転から舞台にダンサーが現れ、踊りに注意が向いてるうちに背景の壁面は音もなく動き、舞台の中に領域を形成。ダンサーが壁を叩く瞬間から爆音が劇場に鳴り響き、舞台上に現れた壁面と、床に髙橋啓祐渾身の映像が投影され一瞬にして空間が変化する。情報が疾走し、情報としての人は個性を失い生死はっきりしない状態で存在する。そこには感情のないコンピューター音声による独白がミックスされ、現代の状況がリアルに演出される。身体としての肉体はその流れの中で苦悩しながらも危うげに存在する。
次のシーンでは一転ダンスは緩やかでゆっくりとしたものとなり、手足の動きや巧妙にシンクロされた振り付けのダンスがとても美しい。いままでにないニブロールが感じられる。
全体を通して過剰にデジタルで鮮やかな色彩の映像は逆に色味を感じないモノトーンの印象となり、現代社会の風景と重なり合う。それに反し衣装の色は特に印象的で照明の光がすごくキレイに衣装の色を出していた。音楽は延々となり続けるノイズと美しい声楽で構成されている。そこにもデジタルとリアルの対比が意識されている。
後半はまさに喪失と破壊、それに伴う回顧の演出が続く。雑多な物に埋め込まれたリアルな過去のイメージが徐々にデジタルに侵食されてゆく。壁の向こうには家具が高く積んであり、その上から作家らしき人物が身の回りの道具を捨てている。舞台上にリアルな音を立てて物が破壊され、場はフラットになっていく。背景のデジタルを象徴する映像がものすごいスピードでフラットに流れていく。そこに人の心はあるのか。最後には全くなにもない空虚な感じだけを残したエンディングとなった。
今がどういう状況にあり、どういう問題があるか、身体の意義とは何かについて伝え訴えた舞台であった。

テクノロジーの進歩にともなう環境の変化については建築の世界でも大きなテーマのひとつだ。建築で問題になるのは、特に情報機器が発達したことによる人と人との距離感の意味の変化についてだ。人は距離を関係なく会話でき、景色を見て、人の存在を意識することが可能となった。しかしそこに生身の肉体はおろか、時間さえ存在しない。そういった状況の中、建築はどうあるべきかという問題だ。そこで、ひとつの新たな価値観として、時間軸に沿った生身の人間の経験というテーマが見えてくる。そこに建築としてどう形にできるかという課題が見えてくる。

阿蘇噴火

0107阿蘇 年明けから熊本に出張のため飛行機に乗る。
飛行機の窓からは阿蘇の噴煙がたなびく様子が見れた。雲とほぼ同じ高さまでふきあげた噴煙が風に流され、東の方向に雲とは明らかに色の違うどす黒い煙の帯を作っていた。これでは風下の火山灰被害は想像に難くない。被害がひどくならないといいのですが。。

熊本城

0107熊本城通町筋からの熊本城
天守閣の手前に本丸御殿が復元されてからここからの眺めはすっかり変わった。以前は緑の中に天守閣だけがそびえていて今よりもっと象徴的で写真的にはダイナミックだったかもしれない。しかし、今では天守閣ではなく、城郭全体の存在感が強くなり迫力がある。個人的にはとても気に入っている。
他の地域でもすばらしい城はいくつも残っているが熊本城ほど城郭が大規模で美しい城も少ないと思う。
 

新年

0103富士新年あけましておめでとうございます。

今年の正月には近くの逗子湾から富士山が奇麗に見えました。
初詣には近所の亀岡八幡宮に行きました。そこでひいたおみくじは大吉!
今年は年男ですが、新年早々幸先よく、よい一年になりそうです。

本年もどうぞよろしくお願いします。

2015年元旦
一級建築士事務所ヒマラヤ 久野啓太郎

GA PLOT 設計のプロセス展

 1225ga
世の中クリスマスだというのに、、、出張から戻り、次の予定までに空き時間ができたので代々木のGAギャラリーまで「設計のプロセス展」に行く。セレクトされた建築家がひとつのプロジェクトをまとめるまでの過程をまとめた書籍のPLOTシリーズと連動した企画だ。展示もプロジェクトが最終形にいたるまでの建築家の思考の流れを展示してある。なかなか展示も難しいなと思うし、プレゼンの優劣にはだいぶ差があったと思う。
その中で建築家の中山氏のプレゼン、特に映像はとてもうまいなと思った。頭上の定点カメラから机上を撮影した映像で、机上で単純化された模型と間取り図を使い、模型を動かしたり机にスケッチしたりしながら説明するという手法は簡単そうでいてとても考えられている。

おもちつき

1214茶屋2葉山の日本料理店、日影茶屋で年末恒例のおもちつき。

1214茶屋1普段は入れないお庭でそろいの法被を着た若者が威勢良くもちをついていました。
つきたてのお餅はあんころ餅、きなこ餅、からみ餅として振る舞われていてとても美味しそうでした!
ほかにもお汁粉などもあって、私も是非食べてみたかったが、あまりの行列に断念。残念。。


ザハ・ハディド展

1212zaha 新宿で開催中の建築家・ザハ・ハディドの展覧会に行ってきた。
ザハは、国立競技場の立て替えでなにかと話題の建築家の割に、たぶん普通の人はあまり聞き慣れない名前なのではないか。展覧会ではザハの設計思想や一見奇抜な造形の産まれる過程などをたどれる見応えのある展覧会だった。最後の展示ゾーンには国立競技場のコンペ案と最新の図面の両方が展示してあり比較できるようになっていてなかなか面白かった。
ザハは極端に実作が少なく、最近でこそ技術の発達でだいぶ大きなプロジェクトなどを次々と実現しているが少し前まではアンビルドの女王と呼ばれていた。1983年の香港ピークのコンペでとても斬新なプレゼンをもって一等となり、それ以来注目の女流建築家だ。私が香港ピークのコンペ案を雑誌でみたのはコンペ後数年たってから大学生の頃だが、その美しく、今まで見たこともないような、図面の概念を超越したダイナミックなプレゼンテーションは今でもとても印象に残っている。今回の展覧会ではそのコンペ作品そのものが展示してあったことにはかなり感激した。なにしろまだコンピュータがない時代で、すべてアクリルの手書きで、筆の跡まで確認できる細かく書き込まれたドローイングの実物が見れたからだ。これだけでこの展覧会に来た意味はあったと思った。建築にかけたエネルギーがひしひしと感じられた。
そういえば、氏の初期の数少ない実作が日本の札幌で実現している。Moonsoonレストランという店舗の内装で、夏休みを利用して北海道までわざわざ見にいったなぁ。すごくシャープなガラステーブルで食事したことを思い出した。

ガーデンアンドハウス

1209G&H建築家・西沢立衛氏設計の住宅。藤本壮介氏のhouseNAと並んで今世界で話題の住宅だ。コンセプトは似ているような感じで、都市の中の隙間のような場所に間口が狭く縦にのびた住宅だ。しかも偶然か両者ともグリーンが重要な意味をもっている。構造的には全く違う。こちらはフレームではなくスラブだ。コンクリートの板が宙に浮いたように各階跳ね出していて、それを支えているとても太いコンクリートの柱は表からは見えない。そして各スラブにはまさに鬱蒼としたグリーンが配置されている。人が住んでいる気配は感じられず、それは奥のほうの外部からは守られたゾーンで生活空間を確保してあるからだと思われる。正面のグリーンは外部との緩衝帯となっている。
 

銀座建築探訪1

1209agc銀座のAGCギャラリーで建築模型の展覧会があったので他の目的のついでに立ち寄ってみた。
模型自体はともかく、フロアの半分ほどを覆う広さの大きな展示台が一番印象的だった(笑)厚さ2mmのアクリル板の天板が無数の7mmのスチールロッドで支えられている。アクリル板とスチールロッドとの接合は怪しいものもあるが、なかなかに繊細で面白い。会場のスタッフに聞くと、ぶつかったりした拍子などには天板がかなり水平に揺れるとは言われていたが、それはそうだろう(笑)

1209takasago東洋熱学工業本社ビル。
何気に奇麗なオフィスビルだなと思って調べてみたところ隈研吾の設計監修だった。
一見なんてことはない普通のオフィスビルだが、外壁に取り付けられたルーバーが微妙に角度を変えて付けられてため見る角度によって光の反射具合が変化し、外壁に波打ったような光の帯を形成している。システマチックかつ簡単な原理でこれだけの効果があるのはなかなかのアイデアだ。

住宅竣工

1203oyama熊本で竣工した建て売りシリーズの1棟です。
建て売りということもあるので、あまり奇抜な表現はせず、売り主と打ち合わせを重ね、その中でなにが表現できるかを考えて設計しました。
以前に工事中の写真を掲載しましたが、垂木を見せた天井が特徴のリビングです。垂木はそのまま土間縁側にまで続いています。
 

阿蘇路ドライブ

1116阿蘇仕事を依頼されているお客様のご自宅が小国町にあるので打合せのたびに阿蘇路を愛車で走る機会に恵まれている。
じつは打合せの時のひとつの大きな楽しみだったりするのだ(笑)もちろん観光客が通らないような裏道をセレクトするわけで、快適なドライブができるのだ。
普段なら止まったりしないのだけど、あまりに美しい夕焼けなのでちょっと止まって愛車を入れて撮影。
美しい景色の中の緩やかなワインディングはとても楽しい!
もちろん安全運転です!!(笑)
 

葉山加地邸

1018kajitei葉山加地邸を見学してきた。遠藤新というフランクロイドライトの片腕として活躍した建築家の設計した住宅だ。
折れ曲がった細い階段を登り、右手に大谷石積みの擁壁沿いに歩くとおもむろに門が現れる。正面奥に玄関が位置するが、その佇まいに息をのむ。立体的な構成と緑の調和がとても美しい。左側に大谷石の柱と壁に支えられた天井高さの低いピロティがあり、右手には一段高くなったところに庭がある。
玄関を入り一歩進むとライトの建築に通ずる雰囲気の大きなリビング空間が広がっている。
とても居心地のよい住宅は三角の天井や石で化粧された柱や壁。細かに段差を設け視線をコントロールした配置など見所が満載だ。
時間を超えて残る建築の力強さが感じられた。
 

Timberrise tokyo2020展

1008timberise 東京オリンピック会場整備をきっかけに、都市での木造の可能性の提案の展覧会。構造や防火、耐久性など木造の弱点の把握整理した上でデザイン的な可能性を模型などで提案している。
見に行った会場は新木場の木造会館で、青山スパイラルでの展示が好評を博したあとこの会場で再展示されている。青山の会場でありがちな場の高揚感のようなものはなく冷静に展示内容がみれる。また、会場は実際のオリンピックで整備される予定の敷地を一望できるだけに、より提案がリアリティをもって見学できた。
展示としては模型も多く、実物大の部分木造などもありボリュームはあるが、内容としては新しさに欠け、いまひとつ感が漂ったというのは言い過ぎだろうか。それとも、それが木造の限界なのだろうか。突き抜けた提案は感じられず、どことなく土着的なのである。昨今にありがちな過剰にエコでリベラルな雰囲気が支配していてあまり好みではない。

台風一過

1006七里ガ浜 台風一過。七里ガ浜の高台より美しい夕焼けを見る。
関東を直撃した台風は午前中のうちに抜け、朝からは一転、空は晴れ上がった。メディアでずっと流しているような甚大な被害も身の周りにはみられず、むしろ拍子ぬけの感すらある。
強風がぬけたあとの空は空気中の埃が飛ばされクリアラップ状態。とても澄んでいて夕焼けが普段以上に美しかった。
そこで、はたと思いつき、普段は観光客で激混みでとても入れない七里ガ浜の絶景レストランアマルフィまで車を走らせる。予想通りいつも激コミでとても入れないテラス席もすいていて並ぶことなく最高の席をゲット!快適に美しい夕焼けと料理を満喫することができました。
風もだいぶ穏やかになっているが、しかし、海はまだまだ大荒れです。

WALL PAPERS展

1004WP 千葉の市原湖畔美術館で開催されている原先生の個展に行く。氏自らが得意だという短冊形にカットされた紙をベースに法華経や方丈記など自身のセレクトによる世界中の名文の一文が細かい文字で手書きでびっしりと埋め尽くされた(まさに写経のような)おびただしい枚数の作品が、美術館の壁に壁紙のように張られている。書き込まれた文字には美しい色彩がレイヤードされているが、その色彩は自身の指示のもと各地で撮影された美しい風景写真をもとに、領域分割という手順で単純化されグラフィカルな色彩としてレイヤードされている。文字の色も背景の色にあわせ微妙に変化され、写真の色彩とあいまって奥行き感が生まれる。しかも文字として意味を含むことでさらに作品の持つ深みが増す。圧倒的な知と美しさをともなった心象風景画となっている。そこには美しさとともに凄みすら感じる。

1004アトリエファイ初日のオープニングレセプションではアトリエファイ時代の懐かしい顔と久しぶりに会う。中には京都駅や梅田スカイビルの現場関係者の方も来られていてちょっとした同窓会となった。皆それぞれに活躍していて、いろいろな話をすることができとても楽しかった。

東京湾フェリー

1004フェリー1千葉へ行く用事があったので初めて東京湾フェリーを利用した。
陸路アクアラインで向かえば時間も早いしお金も安く済むがここはあえてフェリーを選択する。
ほんの小一時間の船旅だが、甲板で海風を感じると旅行気分が盛り上がる。

1004フェリー2甲板では餌付けしている客もいて、カモメがフェリーと並走して飛んでいて、差し出した手から餌を奪って行く。そこで人と鳥は友達になれる。
「鳥は集落や建築の友である。」という原先生の言葉が思い出される。

 

踊絵師 神田サオリ

0928神田さおり メディアーツ逗子というイベントで友人が書いた絵を見てきました。
踊絵師の神田サオリさんの力作です!力強い龍がキャンバスから飛び出さんばかりの勢いの迫力です。絵画パフォーマンス自体をみることができなかったのが残念でした。。

ジョージネルソン展

0909ジョージネルソン 目黒区美術館で開催中のジョージネルソン展に行ってきました。
家具から展示、建築、CI、教育と幅広い分野での仕事の様子がわかる展覧会でした。
機能的でシンプル。それでいて洗練された美しさを持った有名な(笑)プロダクトがたくさん展示されています。
工業化とモジュールを意識したデザインは新しい価値観を生み出し、そしてそれは現代にも通じています。

一級建築士事務所 ヒマラヤ

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