ばんさんげコンセプト
この住宅は熊本市の静かな住宅地にある。家族5人に加え、将来のご両親の同居も視野に入れバリアフリーが求められた計画である。
昔ながらの風通しのよい縁側のある家のイメージが好きという建主の気持ちをうけ、平屋の建物は3方をぐるりと縁側をまわしている。また、子供達が年頃となり各々個室が必要という事情がありながら、建主の理想のイメージは家族がリビングに集まって顔を見ながらの生活という相反する気持ちもあった。そこで、個室のボリュームを隙間をあけてレイアウト。その個室群に囲われてできた空間に大きな片流れの屋根を掛けたリビングを提案した。
子供室の一部は個室から出してリビングとの中間ゾーンの「スペース」とし、それぞれ天窓のあいた小さな中庭に面している。リビングからはいろいろな方向に緑が見え、光と風が抜ける見通しの仕組みとしてなっている。
家族の場をメインとしながら、風通しのよい自由さと、個人の居場所をも確保した家は大きな屋根で守られている。