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大分美術館コンペ
Photosynthesis Museum

コンセプト

「光合成」するかのように「アート」という光で「賑わい」というエネルギーを生む仕掛けをつくりたい。私たちは今回の計画にあたりまずそう考えました。

Photosynthesis Museum
私たちの提案の最大の特徴は、最上層部分にもうけた屋上丘陵にあります。緑化された屋上は不定形に稜線と丘を構成し、あたかも自然な丘のような形状となっています。人々は街の中心にいながら、お気に入りのアートのそばで「特別な場所」を見つけることができます。一切の邪魔なく空と光を獲得し、明日へのエネルギーを充填することができる場所です。すなわちアートの力で「光合成」を行うかのごとく元気になれる場を提案します。

子供たちのために
地域おこしの宿命をもつ今回の計画は、美術館の建築だけで完結するのでなく、その後の継続的なイベントなど、ソフト(企画)の充実と人々の意識改革が大切です。県出身の美術家の作品の展示、保護、日本を巡回するような大規模な展覧会を誘致できるだけの機能、建物構成に加え、たとえばアートトリエンナーレのような現代アートを基盤とした体験型の美術展など、さまざまなソフトに柔軟に対応できるようなポテンシャルをもつ建築とすることが必要だと考えました。そうすることで、すべては子供たちのために、大分の伝統と歴史を次世代に継承しつつ、100年先の未来にも都市に賑わいのエネルギーを生みつづける源であるような美術館を提案したいと考えています。

断面構成
大きくわけて3層構成をイメージしています。地上レベルには市民のイベントやお祭りなどに活用できる広場、半屋外での市場や、ピロティ天井を活用し照明設備などをそなえたオープンエアな小劇場など、さまざまなイベントに使えるスペースを用意できます。あたかも都市を縮小したような、賑わいのあるスペースを考えています。

閉じつつ開く美術館
従来の(比較的クローズな)美術館の性格と、新しい(オープンな)美術館の性格の両方を兼ね備えた美術館を考えています。中間レベルは比較的クローズな層とし、空調、照明などを高度に計画調和させた美術館としての機能をメインに据えます。そして、最上層レベルの屋上丘陵の下の室内空間は開放的な美術館ゾーンとなり、あたかも地上レベルにあるかのように、屋上丘陵の斜面にあちらこちらで出入りすることができます。自然光を取り入れた開放的な美術館とします。

ピロティと吹き抜け空間
屋上丘陵は大きな吹き抜け空間で地上レベルと動線をつなぎます。地上レベルから上まで登ってみたくなるような見通しを意識した構成とし、同時に1階の隅々まで光を導きます。もちろんエレベーターやエスカレーターなどを効果的に配置し、年配の方でも気軽に訪れることができるよう配慮します。

防災計画
この建物で火災などが起きた場合には、地上階と、直接地上に避難可能な屋上の二方向に避難が可能です。建物の形状の特徴がそのまま安全な避難計画に寄与します。また、津波などの自然災害時には屋上空間は安全な避難場所となります。日常より出入りできることが認知されていれば、おのずと避難も容易になります。また収蔵庫などを上階に配置することで浸水被害から美術品を守ることができます。

エネルギー計画
屋上全面を緑化することは温暖化に配慮した上で、省エネルギー効率を期待できます。その他、太陽光パネルによるルーバーの設置など積極的に自然エネルギーを導入することや、燃料電池システムの構築など次世代エネルギーを検討することは時代の流れからも必要と考えます。

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一級建築士事務所 ヒマラヤ

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