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八戸美術館コンペ
「アート」が生まれた森

コンセプト

小さな苗が何十年とかけてやがて大木へと育っていくように、芽生えたばかりの小さな感性や誰も見ぬ才能が生まれ、養われ大きく成長していく場所としての美術館。

アートの灯火
柔らかな被膜を折り曲げたような外皮は周囲の樹々の風景と背後の空を映しつつその眺望を取り入れ、夕、夜間には内側の様々な活動の明かりが外部にもれ映し出され、長く寒い冬の夜の”暖炉”のような人が集まる温かな建物とします。

雁木のコリドール
天候に左右されずオープンカフェやフリーマーケットなど多彩な活動の場となる広い軒下空間を建物の全外周に巡らせます。半屋外となるこの空間では建物内部でのアート創作活動を垣間見ることができ、また外に対して”にぎわい”を創出する絶好の場所となります。

まちに開かれた美術館
1階はアクセスしやすく早朝や夜間などにも部分的にオープンが可能となる“まち”に対して開かれた空間とします。吹抜けでつながる2階は多用途に利用しやすいフレキシブルなスペースとすることで開館時間や展示構成の変化にも柔軟に対応できるような空間とします。

つながる針葉樹の森
建物前の広場及び隣接する青森銀行の前庭には針葉樹を中心とする高木を密に植えて駅方面から三八城公園~八戸市庁~ロータリーへと連続してつながっていく針葉樹の森を設けます。

緑が取り囲む配置
建物はシンプルな長方形の建物としてコンパクトにまとめて街路樹で取り囲み、隣接する青森銀行とともにロータリー側からは建物を大きく後退させて、一体化した広場となる大きな緑のスペースを玄関前に設けます。

森の広場
建物の前庭は針葉樹の高木を中心とした鬱蒼とした雰囲気の森の中のような静かな森の広場とします。森の中に点々と置かれた野外彫刻やくつろげるベンチ、樹々のライトアップなどによって市民が昼夜を問わず豊かな時間を過ごせる場所とします。

市民を巻き込んだ展示
立体的につながった各フロアの広場では創作活動の相乗作用による活気をもたらすとともに、外からも見える大型作品の展示スペースや緑の中の野外彫刻などによって閉館時であっても通りを行き交う人々の興味を惹きつけるような工夫をします。

人と車の共存する外部動線
市庁舎側及び中心商店街側からの歩行者の流れを受け止める位置に広場を設け、建物周囲には歩行者が回遊できる通路を設けます。搬出入車、大型バス、管理車両は一方通行の車両動線とすることで人の動線を阻害しない安全かつスムーズな動線とします。

使われ方を限定されない構造
外壁及び屋根庇を構成する斜格子と経済的スパン内に設けられた内部柱の同一断面によって建物を構成するシンプルな構造とすることで将来に渡っても用途を限定されず使用、転用可能な内部空間とし、かつ美しく合理的な架構とします。

維持管理しやすい建物
動線を適切に設定することで運営にかかる人員を低減できる合理的な空間構成とします。またガラスの回廊は防水のリスクが少ない単純な構成とし、回廊の周囲及び内部は高所作業車や清掃機械のためのメンテナンス空間を確保します。

ランニングコストの低減
収蔵庫など厳密な温湿度管理が必要な諸室は地下にまとめ、その他の使用時間帯が不規則になる空間に設ける局所的な空調設備は細かく運転制御できるような小規模のものとします。雁木空間では適切なガラスの使い分けと、ダブルスキン化したペリメーターゾーンと回廊上部の暖気の熱交換利用を行います。またロビーや吹抜などには自然光を積極的に取り入れます。

サステイナブルな設備計画
まちの中心施設として100年以上のライフサイクルに応えられるように余裕をもった設備室、機械室を確保し、適切な位置に設けるパイプシャフトスペース、十分な天井フトコロ、床下OAフロアを設けて新しい設備の導入、更新を行いやすくします。

他施設との連携
「はっち」との役割を分担し、ここではより深いアート関連資料を静かに閲覧できるライブラリーや本格的なアーティストによるワークショップ、レクチャーのためのスペースを設け、また八戸市内外のアートイベント情報や過去のアーカイブ、国内外のアート情報が集約された情報コーナーを設け他県や海外との連携を図ります。

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一級建築士事務所 ヒマラヤ

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