hisano keitaro Architectural Design Office himalaya
Works
物件名
きたぐにの家
所在地
北海道札幌市
竣工年
2005年
規模・構造
木造2階建て
用途
専用住宅
敷地面積
199.49㎥
建築面積
77.26㎥
延床面積
116.86㎥
撮影
久野啓太郎
掲載誌
建築家の家本
 
 
きたぐにの家コンセプト
この住宅の立つ土地は雪国である。そのため、なにはともあれ冬期でも日当たりのよい明るい家であることが重要であった。また、施主からは、斬新なデザインの家であってほしいが、ガルバリウム鋼板のような工業材料を使うデザインではなく、むしろ、職人の手跡が感じられる将来まで古くさくならず飽きがこないデザインが求められた。その上で、更に、+αの特徴と、それを実現するアイデアをと盛りだくさんの要望が求められている。
そこで、この家の外壁はモルタルの壁面とし、フラットに黒く塗装されている。吹きつけ塗装ではなく、ローラー塗装とされた壁面はきわめて平滑に仕上げられ、まさに職人の技術のおかげで実現ている。このモルタル壁面は歳月とともに落ち着いた色合い風合いとなっていくことでしょう。
そして、この住宅の最大の特徴は、住宅の既成概念にとらわれないダイナミックな内部空間にある。建物の内部空間はリビングとダイニングそして予備室までがひとつの空間として連続しており、それらは大きな階段で連結されている。大階段の段差はとても緩やかで、階段というよりはむしろフレキシブルに活用できる床です。
時には別々のフロアとして、また、時にはシアターの座席として、などなど、さまざまな活用法が考えられる。
また、生活のなかでは部屋を移動するたびに、常に視線が上下に移動する感覚が生まれる。移動という日常の行為そのものが非日常的で刺激的な体験となるのである。
更に、+αの特徴として、本来は風雪を防ぐための機能材である防雪板が開口部に張られている。このパンチング素材により生み出される光と影は時間とともに変化する複雑な日当たりとなり、空間を華やかに彩る。